デザイナーによるロゴ制作の流れ
「ロゴっていりますか?」
と新規起業の方に聞かれますが、自身のブランドを構築する上でロゴは必要不可欠です。
ロゴは、まさに事業の顔で看板。
有名なアパレルやブランド製品をご覧いただければ分かるように、一目であの製品だ。ということで購入に至るケースもあり、信用にも繋がります。
そこまで大きくしなくてもとも言われますが、必ずあった方がお客様の覚えも早いです。
見た目が印象の9割方決めてしまう様に、五感の中で一番印象に残る視覚からロゴで覚えてもらうことも有効的です。
目次
ロゴと著作権
さて、ロゴといえば今年は、コロナ禍で東京オリンピックが延期となってしまいましたが、覚えてますでしょうか? 東京オリンピックのロゴについて。盗用問題があり、再度公募されていました。盗用問題は、デザイナーにとってはついて回る問題でもありますが、今現代ネットで調べれば出てくる出てくる作品の数々。ぶっちゃけ、今の流行の傾向を調べるためにネットや蔵書で参考にすることもあります。また、ネットで似たようものがないかも調べます。
プロからアマチュアまでデザイナーになれてしまう時代なので、どこかしら似てるかも?というものはでてきてしまうことは、少なかれあると思います。かといって盗用は、いけません。
私自身、ある案件で「こんな感じでロゴをお願いします」という依頼をいただいたことあります。
ウサギのモチーフだったのでウサギをモチーフに2〜3案提案したところ、参考に提示してきたウサギのモチーフをそのままデータに起こしてほしいとのことでした。
ネットで調べたところ、参考のウサギのモチーフは画像検索でヒット。ハンコ上でしたが、まさしくそのウサギ。
著作権について言わせていただき、丁重にお断りさせていただきました。ちなみに、その後別の方に依頼されていたみたいですが…。
日本は、まだ作成したものについての権利が弱く、デザイン料金についても理解されないことが多いです。ロゴについても、A社では、30,000円で5案も10案も提案する会社もありますが、とんでもない値段だと思います。
予測するには、完璧オリジナルではなく、何点かテンプレートが存在してそこへはめ込んでいる可能性もありますので、もしかしたら出来上がったロゴ。検索すると似たロゴが出てくるかも…。
デザイン料金は、投資として理解していただくしかない
デザインにおいては、投資と考えていただくしかありません。しかし、もし完璧なロゴだった場合、費用対効果は絶大です。東京オリンピックの再度公募した賞金は、100万。これを高いと思いますか?
私は、とてつもなく安いと思います!
権利をすべて譲渡の上で、経済効果が国家レベルで世界発信にもなるロゴであるにも関わらず、100万。
確かに、優勝者には、もれなくその後依頼は増えるでしょう。お互いの費用対効果は絶大ですが、後世に残るロゴとしては、安く済ませた感は否めません。
著作権の扱い
応募者は、その応募作品が採用作品に決定した場合、当該作品に関する著作権(著作権法第27条および第28条に規定する権利を含む)、商標権、意匠権、その他の知的財産権、所有権等一切の権利を組織委員会に無償で譲渡すること。また、当該作品に関する著作者人格権その他一切の人格権を組織委員会およびその指定する者に対して行使しないものとする。組織委員会またはその指定する者等により商標・意匠の出願・登録が行われることがあります。大会終了後、当該作品の一切の権利は、IOCまたはIPCに帰属します。
https://compe.japandesign.ne.jp/tokyo2020-emblem-2015/
実は、ロゴは制作した料金だけではなく、その後グッズや販促物に使用されたりと二次的利用が主です。その場合、グッズであればその売上の何%か権利者=ロゴを制作したデザイナーに入るということも。音楽であれば、使用される度に入る印税にあたります。
できれば、デザイナーとしてこの二次的利用の権利を主張したいところですが、私の地方では点で理解されにくい分野ですが、いいロゴをデザインすることで自然と客引きができていることもあるので、売り切りで二次的利用の権利は主張は、していません。
製作者によって価格と完成度比例していることもある?
デザインの料金は、様々でクラウドソーシングが進んでいる現代では、価格破壊が目まぐるしく起こっています。ロゴ制作と検索をかけたら、1万から制作するところもちらほら。
ロゴが決して価格でクオリティが比例するかといえば、決してそうでもありません。ロゴの作成の流れからすると
- アイデアだし
- ラフ案
- 制作
- 修正(ブラッシュアップ)
制作過程は、安かろうが高がろうが変わりません。強いて言うなれば、ラフ案を少なくするか修正を少なくするか。
修正においては、ブラッシュアップに時間をかけるので、時間かけた分価格に反映することもあります。
あるサイトにおいては、ロゴの倉庫のようにあらかじめ制作して公開。買い取りとなり社名の部分をただ入れ替えるという方法もあります。
ぶっちゃけロゴマークは、省く工程が少なくかける時間・でも価格が左右されています。しかし、それもデザイナーのヒアリング力や引きだしの数、クライアントとのコミュニケーション力にも左右されます。
ロゴマークをぜひとも軽んじて考えず、価格と価値のバランスをぜひ考えてご依頼ください。